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トレーニング骨格の個体差

ウエイトトレーニングをしてから怪我をしやすくなった人へ——鍛え方に、「個体差」の視点はあるか

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著者:アスリート再生プログラム「リスタート」(運営:株式会社HUREC)
研究監修:伊藤 龍平(株式会社HUREC 代表取締役)
医療監修:高村 武光(はり師・きゅう師)/烏山 司(スポーツ内科医)
公開日:2026.7.6
最終更新:2026.7.6
結論:ウエイトトレーニングは良いものです。ただし、「絶対的な良いフォーム」で全員が同じ種目を行う導入の仕方には、リスクがあります。ウエイトの源流はボディビルディング=筋肥大の体系であり、アスリートの目的(出力・負荷分散)とは異なるからです。鍵は、あなたの骨格タイプが主として使う筋群を見極めること。

1. ウエイトトレーニングが「悪い」わけではない

最初に、はっきりお伝えします。私たちは、ウエイトトレーニング自体を良いものだと考えています。悪いものだとは思っていません。ただ、そのやり方や導入の仕方によっては、アスリートのパフォーマンスを下げかねないリスクもある——これが、この記事のテーマです。

「ウエイトを始めてから、なぜか怪我が増えた」「重量は伸びたのに、競技の動きがしっくり来ない」。もし心当たりがあるなら、抜け落ちている視点は一つかもしれません。骨格の個体差です。

2. なぜ視点が抜け落ちるのか——ウエイトの源流はボディビルディング

スポーツの世界でウエイトトレーニングが当たり前になったのは、実はそれほど昔ではありません。多くの競技で本格的に普及したのは1970〜80年代。それ以前の偉大な選手たち——たとえば全豪オープンを10回以上制したマーガレット・スミス・コートは、「ダッシュや坂道の走り込みはしたが、ウエイトはやっていなかった」と伝えられています。

そして、最初期のアスリートたちがトレーナーとして招いたのは、多くがボディビルダーでした。「アームカールで上腕二頭筋にどう効かせるか」——特定の筋肉を狙って発達させるボディビルの技術が、そのままスポーツのトレーニングの源流になったのです。

特定の筋肉を育てる技術としては、素晴らしいものです。ただしそれは、筋肥大を目的とする体系だということを忘れてはいけません。

3. アスリートの目的は「筋肥大」ではない

アスリートがウエイトに取り組む目的は、筋肉を大きくすることではありません。出力を上げること。全身の筋力を上げて負荷を分散させ、怪我をしづらくすることです。

目的が違えば、フォームの考え方も変わります。アスリートのスクワットは、ボディビルのスクワットより、むしろバッティングやピッチング、走るフォームの考え方に近いのです。受け止めた重量を、骨格上もっとも負荷が一部分に集中せず、全身で扱えるフォームで動かす——。

実際、オリンピックのウエイトリフティング選手のフォームは、選手によってかなり違います。あの世界は完全に「パフォーマンスのための挙上」であり、各選手が自分の骨格に合った、いちばん出力の出る上げ方をしているからです。

4. 筋肉は「偏って」ついていい——主導する動作は人によって違う

私たちの研究では、全身運動を主導する動作は人によって異なります。腕を後方へ引く筋発揮が全身を主導する人もいれば、前方の人も、下半身が主導する人もいる——これが16タイプの骨格の個体差です。

だとすれば、自分が主として使う筋群は、他の筋肉より多くついているべきです。トップアスリートの身体は、実は筋肉が均一についているのではなく、その選手がもっとも強く使う部分がとんがってつく、ある意味アンバランスな身体になっています。バランスよく整えるボディメイクとは、まったく別のものです。

「全員がスクワット」「全員がベンチプレス」ではなく、自分の骨格上もっとも使用される筋群を見極めて、そこをとことん育てていく。これが分かると、ウエイトはパフォーマンスに直結し、怪我の予防にも大きく効いてきます。

高村 武光
高村 武光医療監修|はり師・きゅう師

現場で選手の身体を触っていると、同じメニューをこなしていても、張る場所も効く場所も選手によってまったく違います。その違いを「フォームが悪い」で片付けず、個体差として読み解けるようになると、トレーニングの設計は大きく変わります。

5. 「教科書どおり」「バランスよく」——よくある考えの整理

どれも間違いではありません。ただ、「個体差」の視点を足すと、見え方が変わります。

「教科書どおりのフォームが、いちばん安全」

基本の型には意味があります。ただ、その型はあなたの骨格を前提に作られたものではありません。合わない型で重量を扱うことこそ、負荷を一点に集めるリスクになり得ます。

「全身をバランスよく鍛えるべき」

大きな偏りを放置してよいという意味ではありません。ただ、競技で使う部分は競技の中でも鍛えられます。パフォーマンスに直結するのは、あなたのタイプが主として使う筋群です。

「重量が伸びれば、競技も伸びる」

出力の土台として重量は意味を持ちます。ただ、その挙上が自分の連動と切り離された「別の動き」になっているなら、competitionの動きには乗ってきません。数字と競技をつなぐのは、個体差に合ったフォームです。

6. 何から始めるか

ウエイトをやめる必要はありません。始めるべきは、自分の骨格タイプ——主導する動作と、主として使う筋群——を知ることです。それが分かれば、種目の選び方も、フォームも、優先順位も、あなた仕様に変わります。

セルフチェック|そのウエイト導入、見直しのサインかもしれない
2つ以上当てはまる場合、トレーニングそのものより「個体差の視点の欠落」が原因かもしれません。あなたの骨格が主として使う筋群を知ることから、設計をやり直せます。

7. よくある質問

ウエイトトレーニングをしてから怪我が増えました。やめるべきですか?
ウエイトトレーニング自体は良いものです。問題はやり方です。骨格の個体差を無視して「絶対的に良いフォーム」で行うと、負荷が偏って怪我を招くことがあります。自分の骨格に合った鍛え方に変えることが先決です。
アスリートも、筋肉はバランスよくつけるべきですか?
アスリートの目的は筋肥大やボディメイクではなく、出力と負荷分散です。自分が主導的に使う筋群は、他より多くついてよい。トップアスリートの体は、均一ではなく「偏って」発達しているのが自然です。
スクワットやベンチプレスは、全員が同じフォームでやるべきですか?
骨格タイプが違えば、最も全身で負荷を分散できるフォームも変わります。重量挙げのトップ選手のフォームが一人ひとり違うのはそのためです。教科書どおりの一律フォームが、あなたに合うとは限りません。
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著者:アスリート再生プログラム「リスタート」
運営:株式会社HUREC

「骨格の個体差」を10年以上研究してきた専門家集団HURECが運営する、プロアスリートのための再生プログラム。研究にもとづき、怪我・不調・スランプ・加齢に悩むアスリートの「合った動き」の回復を支援している。

伊藤 龍平
研究監修:伊藤 龍平
株式会社HUREC 代表取締役

医師・理学療法士・鍼灸師、トップアスリート指導者など身体の専門家で構成される研究団体HURECを組織し、10年以上にわたり骨格の個体差(先天的特質)を研究。その研究から「骨格動作タイプ」を16種類に体系化。各種競技のオリンピックアスリート、日本代表選手、などからも多くの支持を受ける。

高村 武光
医療監修:高村 武光
はり師・きゅう師/連動性シニアトレーナー

高校時代に脊椎分離症を経験し、リハビリをきっかけに医療の道へ。森ノ宮医療大学で鍼灸師(国家資格)を取得。サッカー・ソフトボール・テニス・パデルなど複数競技の日本代表を含むアスリートのトレーナーとして活動する一方、変形性股関節症・膝関節症など高齢者の症状にも対応。骨格の個体差にもとづく"連動性トレーニング"を修め、現行最上位資格「連動性シニアトレーナー」に認定される。医療専門職の育成も行う。

烏山 司
医療監修:烏山 司
スポーツ内科医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター

スポーツドクターとしてアスリートの内科的サポートに従事し、株式会社HURECの医学顧問を務める。自身も高校時代にソフトテニスでインターハイに出場するなど、スポーツに高い関心を持つ。フルマラソンは2時間34分(市民ランナー上位0.5%)で完走。

出典・参考
  1. HURECアスリートチャンネル「ウエイトトレーニングをしてから怪我をしやすくなった人へ」(動画)
  2. 株式会社HUREC「骨格・動作タイプ検査」資料(2026)

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本記事は、株式会社HURECの研究・実践に基づく一般的な情報提供であり、特定の症状の診断・治療を行うものではありません。強い痛みや急性の外傷がある場合は、医療機関の受診をご検討ください。