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怪我・故障骨格の個体差

怪我・故障を繰り返す理由——「患部」ではなく、「動き」から考える

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著者:アスリート再生プログラム「リスタート」(運営:株式会社HUREC)
研究監修:伊藤 龍平(株式会社HUREC 代表取締役)
医療監修:高村 武光(はり師・きゅう師)/烏山 司(スポーツ内科医)
公開日:2026.7.6
最終更新:2026.7.6
結論:治しても同じ場所を痛めるのは、多くの場合「患部が治りきっていないから」ではありません。患部に負荷を集めてしまう"動き"がそのままだからです。この記事では、怪我が繰り返される構造を「器質的疾患・機能的疾患」の区別から整理し、根本にある骨格の個体差との関係を解説します。

1. 怪我・疾患は2種類に分けられる

アスリートに限らず、身体の怪我・疾患は大きく「器質的疾患」「機能的疾患」の2つに分けられます。

器質的疾患——画像検査に「映る」もの

MRI・レントゲン・CTなどの画像検査で確認でき、医師が「骨折しています」「半月板が損傷しています」「腱が切れています」と確定診断を出せるものです。

機能的疾患——画像検査に「映らない」もの

痛みや不具合は確かにあるのに、画像診断では特定できないものです。患部に負担のかかる動きが続いた結果、器質的な損傷として観察できる段階には至っていないものの、何かしらの問題が起きている状態と考えられます。

2. 繰り返す怪我の正体——「部分負荷」という考え方

「なぜ私の怪我は何度も繰り返すのか」「なぜ長引いて治らないのか」——。器質的か機能的かに関わらず、慢性的なスポーツ障害のほとんどは、特定の患部(膝・腰・肩など)に負荷が集中していることから起きている、と私たちは考えています。

負担のかかる動きが続くと、最初は機能的疾患のレベル(画像に映らない痛み・違和感)として現れます。それでも同じ動きを続けると、やがて器質的疾患のレベル(画像で確認できる損傷)へ進行していく——この一方向の流れとして捉えると、非常にシンプルに整理できます。

※ 接触や転倒などによる外傷は、この限りではありません。

3. 競技の現場では、こう起きる——部位別ミニケース

「部分負荷」は抽象的な話ではありません。競技動作の中で、実際に次のような形で現れます。

ケース1:テニス肘(外側上顆炎)が長引くテニスプレーヤー

肘の治療とケアを続けても、試合が続くと再発する。この場合、肘そのものではなく、スイングの中で肘に負荷が集まる身体の使い方——たとえば、その選手の骨格に合わない打点やスイング軌道——が続いていることが考えられます。肘は「原因」ではなく、負荷の「集まる場所」になっているのです。

ケース2:投球のたびに肩・肘に不安を抱える野球選手

投球障害の多くは一球で壊れるのではなく、何千球という反復の中で、特定の関節に少しずつ負荷が蓄積して起きます。同じ球数を投げても壊れない選手との違いは、ケアの量だけではなく、その選手の骨格に合った連動で投げられているか——という視点で見ることができます。

ケース3:ジャンプ・着地で膝を痛め続ける選手

ジャンパー膝やランナー膝が慢性化する背景にも、着地・踏み込みのたびに膝の一点へ負荷が集中する動き方が潜んでいることがあります。全身に負荷を分散できる選手は、同じ練習量でも膝が悲鳴を上げません。

※ いずれも個人を特定しない一般化した例です。個々の症状の診断は、医療機関にご相談ください。

4. なぜ治療しても繰り返すのか

答えを一言で言えば——動きは、そのままだからです。

休養をとる。マッサージや鍼で緊張した筋肉を緩める。食事に気をつけて回復を促す。身体には治癒力がありますから、こうしたケアで損傷した組織は修復され、痛みのない状態まで回復します。

しかし、膝に負担が集まる動きそのものが変わっていなければ、競技に戻って同じ動きを繰り返すうちに、また同じ場所に痛みが生まれます。「治す→戻る→また痛める」のループの外に、原因が残り続けているのです。

高村 武光
高村 武光医療監修|はり師・きゅう師

治療の現場でも、施術で状態が良くなった選手が、競技に戻ると同じ箇所を張らせて戻ってくることは少なくありません。施術と並行して「なぜそこに負荷が集まるのか」を動きから見直せた選手ほど、再発の間隔が明らかに変わっていきます。

高齢者の膝痛も、実は同じ構造
日本の高齢者に多い変形性膝関節症も、アスリートの膝痛と無関係ではありません。膝に負担のかかる動きを長年繰り返した結果、器質的疾患のレベルまで進行したものと捉えられます。加齢による筋力・柔軟性の低下は、この負荷をさらに強める要因です。

5. アスリートは「負荷の環境」が桁違いにタフ

「一般の人より筋力があるのに、なぜアスリートは怪我をするのか」と思われるかもしれません。

アスリートは、長時間走る・全力で出力する・投げる・接触する——日常生活とは比較にならない高い負荷環境に身を置いています。例えるなら、常に重い重力の中で生活しているようなものです。だからこそ、動きのわずかな偏り(部分負荷)が、一般の人よりはるかに早く、症状として表面化します。

6. 「休めば治る」「鍛えれば防げる」は間違いなのか

いずれも、間違いではありません。休養も、筋力トレーニングも、ケアも、アスリートを支えてきた確かな方法です。ただ、そこに「個体差」の視点を足すと、見え方が変わります。

「休めば治る」

休養で組織は回復します。ただ、患部に負荷を集める動きが変わっていなければ、復帰後に同じ負荷がかかります。「治った」と「再発しなくなった」は、別のことです。

「筋力をつければ防げる」

筋力は力になります。ただ、自分のタイプに合わない鍛え方をすると、せっかくの筋力が全身の連動をかえって崩し、負荷の偏りを強めてしまうことがあります。何を鍛えるかは、骨格タイプによって変わるのです。

「年齢のせい」

加齢の影響は確かにあります。ただ、本来の下り坂は多くの人が思うより緩やかです。急に悪化した場合は、年齢そのものより、いつの間にか自分に合わない動きへ変わっていたことが隠れているケースがあります。

7. 鍵は「骨格の個体差」——全員共通の正しいフォームはない

では、なぜ「負荷が集中する動き」になってしまうのでしょうか。ここで最も大切なのが、骨格は人によって違うという事実です。

AさんとBさんでは、そもそも骨格が違います。骨格が違えば、姿勢を制御するときに反応する筋肉も微妙に違う。つまり、その人にとって最も負担のかからない動き・姿勢・歩き方・走り方は、根本的に人それぞれなのです。

骨格動作タイプとは——骨格の個体差(先天的特質)を10年以上研究してきたHURECが、16種類に体系化した先天的な動作個体差のタイプ分類です。先天的に骨格が異なる以上、身体の動かし方にも一人ひとり「その人に合った形」がある——という考え方にもとづいています。分類は4つの組み合わせ——動作の主導部位(上半身優位型/下半身優位型)、プッシュ(押す)型かプル(引く)型か、手の軌道(内旋型/外旋型)、足の軌道(内旋型/外旋型)——で16タイプに分かれます。タイプが違えば、自然な姿勢もフォームも変わります。

8. 再発を防ぐために、何から始めるか

器質的疾患のレベルまで進行してしまった場合は、休養や手術など、医療機関によるアプローチが必要になることがあります。しかし、その手前の痛み・違和感の段階——機能的疾患の領域であれば、自分の動きを見つめ直し、変えていくことで、悪化を防げる可能性が十分にあります。

また、器質的なレベルに至り医療機関と連携して治療する場合でも、再発を防ぐには、根本にある動きを変えていく必要があることに変わりはありません。

最初の一歩は、自分の骨格タイプ——自分にとって負担のかからない動きとは何か——を知ることです。

2つ以上当てはまったら、患部ではなく「動き」を疑ってください
当てはまった方へ。それは「体が弱い」のでも「ケアが足りない」のでもなく、動きが自分の骨格からズレているサインかもしれません。自分の骨格タイプを知ることが、再発のループを断ち切る第一歩になります。

9. よくある質問

画像検査で「異常なし」と言われたのに痛いのは、なぜですか?
機能的疾患の段階では、画像検査に異常が映らないことがあります。痛みや違和感が現実にあるなら、それは患部への負荷の偏りを知らせるサインかもしれません。器質的疾患へ進行する前の、まだ動きを見直せる段階とも言えます。
治療で一度良くなるのに、競技に戻るとまた痛みます。
休養や治療で組織は回復しますが、患部に負荷を集める「動き」が変わっていなければ、復帰後に同じ負荷がかかり、再発しやすくなります。「治った」と「再発しなくなった」は別のことです。原因は患部ではなく、動きの側にある可能性があります。
「正しいフォーム」に直せば、怪我はなくなりますか?
全員に共通する「正しいフォーム」は存在しない、というのが私たちの見解です。骨格は先天的に人それぞれ異なるため、一般に良いとされる形が、あなたにとって負荷の少ない形とは限りません。むしろフォーム変更をきっかけに違和感や痛みが始まるケースもあります。
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著者:アスリート再生プログラム「リスタート」
運営:株式会社HUREC

「骨格の個体差」を10年以上研究してきた専門家集団HURECが運営する、プロアスリートのための再生プログラム。研究にもとづき、怪我・不調・スランプ・加齢に悩むアスリートの「合った動き」の回復を支援している。

伊藤 龍平
研究監修:伊藤 龍平
株式会社HUREC 代表取締役

医師・理学療法士・鍼灸師、トップアスリート指導者など身体の専門家で構成される研究団体HURECを組織し、10年以上にわたり骨格の個体差(先天的特質)を研究。その研究から「骨格動作タイプ」を16種類に体系化。各種競技のオリンピックアスリート、日本代表選手、などからも多くの支持を受ける。

高村 武光
医療監修:高村 武光
はり師・きゅう師/連動性シニアトレーナー

高校時代に脊椎分離症を経験し、リハビリをきっかけに医療の道へ。森ノ宮医療大学で鍼灸師(国家資格)を取得。サッカー・ソフトボール・テニス・パデルなど複数競技の日本代表を含むアスリートのトレーナーとして活動する一方、変形性股関節症・膝関節症など高齢者の症状にも対応。骨格の個体差にもとづく"連動性トレーニング"を修め、現行最上位資格「連動性シニアトレーナー」に認定される。医療専門職の育成も行う。

烏山 司
医療監修:烏山 司
スポーツ内科医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター

スポーツドクターとしてアスリートの内科的サポートに従事し、株式会社HURECの医学顧問を務める。自身も高校時代にソフトテニスでインターハイに出場するなど、スポーツに高い関心を持つ。フルマラソンは2時間34分(市民ランナー上位0.5%)で完走。

出典・参考
  1. HURECアスリートチャンネル「怪我・故障を繰り返す理由」(動画)
  2. 株式会社HUREC「骨格・動作タイプ検査」資料(2026)

本気で取り戻したいなら、
その一歩を、今日。

私たちHURECは、このプログラムに本気で取り組んでいます。「もう一度」と本気で願うあなたとなら、根本から、最後まで一緒に歩けると信じています。
熱量は、人それぞれ。あなたに合った入り方を選んでください。

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本記事は、株式会社HURECの研究・実践に基づく一般的な情報提供であり、特定の症状の診断・治療を行うものではありません。強い痛みや急性の外傷がある場合は、医療機関の受診をご検討ください。