怪我・故障を繰り返す理由——「患部」ではなく、「動き」から考える
1. 怪我・疾患は2種類に分けられる
アスリートに限らず、身体の怪我・疾患は大きく「器質的疾患」と「機能的疾患」の2つに分けられます。
器質的疾患——画像検査に「映る」もの
MRI・レントゲン・CTなどの画像検査で確認でき、医師が「骨折しています」「半月板が損傷しています」「腱が切れています」と確定診断を出せるものです。
機能的疾患——画像検査に「映らない」もの
痛みや不具合は確かにあるのに、画像診断では特定できないものです。患部に負担のかかる動きが続いた結果、器質的な損傷として観察できる段階には至っていないものの、何かしらの問題が起きている状態と考えられます。
2. 繰り返す怪我の正体——「部分負荷」という考え方
「なぜ私の怪我は何度も繰り返すのか」「なぜ長引いて治らないのか」——。器質的か機能的かに関わらず、慢性的なスポーツ障害のほとんどは、特定の患部(膝・腰・肩など)に負荷が集中していることから起きている、と私たちは考えています。
負担のかかる動きが続くと、最初は機能的疾患のレベル(画像に映らない痛み・違和感)として現れます。それでも同じ動きを続けると、やがて器質的疾患のレベル(画像で確認できる損傷)へ進行していく——この一方向の流れとして捉えると、非常にシンプルに整理できます。
※ 接触や転倒などによる外傷は、この限りではありません。
3. 競技の現場では、こう起きる——部位別ミニケース
「部分負荷」は抽象的な話ではありません。競技動作の中で、実際に次のような形で現れます。
ケース1:テニス肘(外側上顆炎)が長引くテニスプレーヤー
肘の治療とケアを続けても、試合が続くと再発する。この場合、肘そのものではなく、スイングの中で肘に負荷が集まる身体の使い方——たとえば、その選手の骨格に合わない打点やスイング軌道——が続いていることが考えられます。肘は「原因」ではなく、負荷の「集まる場所」になっているのです。
ケース2:投球のたびに肩・肘に不安を抱える野球選手
投球障害の多くは一球で壊れるのではなく、何千球という反復の中で、特定の関節に少しずつ負荷が蓄積して起きます。同じ球数を投げても壊れない選手との違いは、ケアの量だけではなく、その選手の骨格に合った連動で投げられているか——という視点で見ることができます。
ケース3:ジャンプ・着地で膝を痛め続ける選手
ジャンパー膝やランナー膝が慢性化する背景にも、着地・踏み込みのたびに膝の一点へ負荷が集中する動き方が潜んでいることがあります。全身に負荷を分散できる選手は、同じ練習量でも膝が悲鳴を上げません。
※ いずれも個人を特定しない一般化した例です。個々の症状の診断は、医療機関にご相談ください。
4. なぜ治療しても繰り返すのか
答えを一言で言えば——動きは、そのままだからです。
休養をとる。マッサージや鍼で緊張した筋肉を緩める。食事に気をつけて回復を促す。身体には治癒力がありますから、こうしたケアで損傷した組織は修復され、痛みのない状態まで回復します。
しかし、膝に負担が集まる動きそのものが変わっていなければ、競技に戻って同じ動きを繰り返すうちに、また同じ場所に痛みが生まれます。「治す→戻る→また痛める」のループの外に、原因が残り続けているのです。

治療の現場でも、施術で状態が良くなった選手が、競技に戻ると同じ箇所を張らせて戻ってくることは少なくありません。施術と並行して「なぜそこに負荷が集まるのか」を動きから見直せた選手ほど、再発の間隔が明らかに変わっていきます。
5. アスリートは「負荷の環境」が桁違いにタフ
「一般の人より筋力があるのに、なぜアスリートは怪我をするのか」と思われるかもしれません。
アスリートは、長時間走る・全力で出力する・投げる・接触する——日常生活とは比較にならない高い負荷環境に身を置いています。例えるなら、常に重い重力の中で生活しているようなものです。だからこそ、動きのわずかな偏り(部分負荷)が、一般の人よりはるかに早く、症状として表面化します。
6. 「休めば治る」「鍛えれば防げる」は間違いなのか
いずれも、間違いではありません。休養も、筋力トレーニングも、ケアも、アスリートを支えてきた確かな方法です。ただ、そこに「個体差」の視点を足すと、見え方が変わります。
「休めば治る」
休養で組織は回復します。ただ、患部に負荷を集める動きが変わっていなければ、復帰後に同じ負荷がかかります。「治った」と「再発しなくなった」は、別のことです。
「筋力をつければ防げる」
筋力は力になります。ただ、自分のタイプに合わない鍛え方をすると、せっかくの筋力が全身の連動をかえって崩し、負荷の偏りを強めてしまうことがあります。何を鍛えるかは、骨格タイプによって変わるのです。
「年齢のせい」
加齢の影響は確かにあります。ただ、本来の下り坂は多くの人が思うより緩やかです。急に悪化した場合は、年齢そのものより、いつの間にか自分に合わない動きへ変わっていたことが隠れているケースがあります。
7. 鍵は「骨格の個体差」——全員共通の正しいフォームはない
では、なぜ「負荷が集中する動き」になってしまうのでしょうか。ここで最も大切なのが、骨格は人によって違うという事実です。
AさんとBさんでは、そもそも骨格が違います。骨格が違えば、姿勢を制御するときに反応する筋肉も微妙に違う。つまり、その人にとって最も負担のかからない動き・姿勢・歩き方・走り方は、根本的に人それぞれなのです。
骨格動作タイプとは——骨格の個体差(先天的特質)を10年以上研究してきたHURECが、16種類に体系化した先天的な動作個体差のタイプ分類です。先天的に骨格が異なる以上、身体の動かし方にも一人ひとり「その人に合った形」がある——という考え方にもとづいています。分類は4つの組み合わせ——動作の主導部位(上半身優位型/下半身優位型)、プッシュ(押す)型かプル(引く)型か、手の軌道(内旋型/外旋型)、足の軌道(内旋型/外旋型)——で16タイプに分かれます。タイプが違えば、自然な姿勢もフォームも変わります。
8. 再発を防ぐために、何から始めるか
器質的疾患のレベルまで進行してしまった場合は、休養や手術など、医療機関によるアプローチが必要になることがあります。しかし、その手前の痛み・違和感の段階——機能的疾患の領域であれば、自分の動きを見つめ直し、変えていくことで、悪化を防げる可能性が十分にあります。
また、器質的なレベルに至り医療機関と連携して治療する場合でも、再発を防ぐには、根本にある動きを変えていく必要があることに変わりはありません。
最初の一歩は、自分の骨格タイプ——自分にとって負担のかからない動きとは何か——を知ることです。
- 同じ箇所(または左右で対になる箇所)を、2回以上痛めている
- 画像検査では「異常なし」なのに、痛みや違和感が続いている
- 休養・治療でいったん回復しても、復帰後しばらくすると再発する
- 特定の動作(打つ・投げる・蹴る・着地)で、決まって痛みが出る
- フォーム改善や筋力強化に取り組んだ後から、かえって違和感が増えた
9. よくある質問
画像検査で「異常なし」と言われたのに痛いのは、なぜですか?
治療で一度良くなるのに、競技に戻るとまた痛みます。
「正しいフォーム」に直せば、怪我はなくなりますか?
- HURECアスリートチャンネル「怪我・故障を繰り返す理由」(動画)
- 株式会社HUREC「骨格・動作タイプ検査」資料(2026)
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私たちHURECは、このプログラムに本気で取り組んでいます。「もう一度」と本気で願うあなたとなら、根本から、最後まで一緒に歩けると信じています。
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本記事は、株式会社HURECの研究・実践に基づく一般的な情報提供であり、特定の症状の診断・治療を行うものではありません。強い痛みや急性の外傷がある場合は、医療機関の受診をご検討ください。

